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2024.7.23

「遊学者」に憧れて、大海原に飛び込んだ先にあるもの

こんにちは、TOUCA事務局の肥留川広平です。

社会人4年目を迎えていた2年前の春、私は参画した「白井屋ホテル」にて施設管理業務から宿泊部門の立ち上げなど、ホテル開業に関するほぼ全ての業務に携わっていました。そんな中、1人の経営者との出会いが「遊学」へと誘われたターニングポイントとなり、今の私がいます。今回の記事では、そんな私の「遊学」の旅のはじまりについて、お話します。

肥留川広平

明治大学文学部卒。新卒で宿泊業界の大手ホテル運営会社へ入社し、魅力開発に携わった後、地元の群馬県に戻り、地方都市の再生を目指すシンボルとして計画が立ち上がった「白井屋ホテル」に参画。「地域とホテル」の関わり方をより主体的に考えたいと思い、島根県海士町に移住を決意。現場で「地域と観光のあり方」を探求しながら、観光と地域・教育を繋げる存在を目指し奮闘中。2023年より一般社団法人Intellectual Innovationsに参画。

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(一社)Intellectula Innovations池尾さんとの出会い

2022年春、私が働く白井屋ホテルで真茶亭という新たに完成した空間のプレスリリースを引用リツイートしてくださったコメントから始まりました。

「アートの有無によってホテルの経済的価値はあがるのか」

ホテル運営について「少しずつわかってきたのかな〜」なんて思っていた若造は、ホテルを外から見た時にどういった価値算出がされるのかなんて当時全く考えたこともなかった。自分の視野の狭さに気付かされる投稿でした。

当時、池尾さんが代表を務める会社((一社) Intellectual Innovations)ではGM GYMという宿泊業界を担う人材育成の伴走型研修プログラムの立ち上げタイミングでした。アルバイトを募集していることを知り、「ホテル業界に運営以外からの立場で関わってみたい」という興味と直感で、手を挙げました。今思えばこれが、私の「遊学」の始まりでした。

青山敦士さん、そして海士町との出会い

GM GYMとホテルとの兼業を始めて、数ヶ月経った頃、白井屋ホテルに池尾さんが島根県の離島、海士町にあるEntôという宿泊施設の代表をされている青山さんと訪れてくださいました。

Photo by Kentauros Yasunaga

島根県にある人口2,300人ほどの離島で、宿泊施設を運営と、資本が限られている中でクリンネスもリネンサプライも内製しているというお話を聞き、またまた自分の視野の狭さに気づきました。青山さんに自分が感じていた「クリンネスという業務の価値の捉え直し」をどうやったら実現できるのかという意見もぶつけるなかで、クリンネスやリネンサプライを通した地域への価値還元にという興味の芽が芽生えました。この小さい芽はいつのまにか自分の心の中で大きくなっていき、この年の終わりの2022年の年末には海士町への移住を決意、2023年春に海士町へ夫婦揃って移住しました。今思うと、青山さんとの出会いは、「遊学」の道へ本格的に進む大きなターニングポイントでした。

海士町へ移住を経て

移住してからの私は、Entôを運営している株式会社海士のマーケティング業務と隠岐島前地域で「大人の島留学」という1年間の移住型インターンシップ制度の広報責任者、そして(一社)Intellectual Innovationsでのプロマネ業務という3つの顔を持ちながら、離島で暮らすという生活をスタートさせました。

3つの仕事を掛け持ちし、スタートを切ってみたは良いものの、パラレルワークの難しさに直面した、きつい一年でした。自分で3社間でのバランスを取り、それぞれに割く時間を考え、3社それぞれに対して100%以上の成果を出すことは至難の業…というかほぼ不可能とも思える状態でした。

私は、元々誰かに求められる役割を全うすることに達成感を感じていました。期待に応え、評価されることで褒められ、認められることこそやりがいだったのです。しかし、ここに来て人からの評価に依存した働き方は通用しないことを思い知りました。

そんな頭を抱えている時に、池尾さんや青山さんをはじめとするTOUCAに参画している経営者の皆さんの顔が思い浮かびました。自己開示をすることは勇気がいりましたが、相談してみると皆さんはとても真摯に相談に乗ってくださり、沢山の気づきを与えてもらいました。皆さんと話していくなかで、「3つの仕事を掛け持ちしながら、それぞれの仕事において成果を出すこと」はどのように叶えられるのだろうかと考えるようになりました。

誰しもに共通している1日24時間という制約の中で、飛んでくるボールを一つずつ打ち返していたら時間が足りない、いかに一度のスイングで多くのボールを打ち返すこと、そしてその一振りのインパクトを強くするかが大切だと気づきました。3つの仕事をバラバラに考えるのではなく、自分を多面的に捉え、それぞれの仕事の接点や共通する役割を見つけていく「メタ的な視点を持ち続けること」が、一振りのインパクトを最大化させることができる方法だと考えるようになりました。

そういった考えを巡らせながら、自分が3つの業務に携わることで地域や企業にとって還元できる価値が少しずつ見えてきました。

離島暮らし2年目に突入したこの春、私は大きな一歩を踏み出しました。

それは「離島の洗濯屋になる」という決断です。

離島という資本が限られた環境で、できることは自分たちでやってみるという考えに基いてつくられた、小さなリネン工場が海士町にあります。この工場は立ち上がって約10年、現在は青山さんが起業された株式会社島ファクトリーによって、海士町を中心としたいくつかの宿泊施設のリネンサプライを行っています。産業が限られている地域において、地域を支える一つの大きな柱である観光業の中でも、宿泊をせずに訪れることが難しい場所だからこそ、必須となる宿泊業。その屋台骨となるのがリネンサプライ業だと考えています。

今は地域のごく限られた部分でしか実現できていない、その事業を隠岐諸島全体で展開し、地域全体の宿泊の屋台骨をしっかりと立て直す。訪れる人、出迎える人、全員の笑顔をつくりたい。地域の笑顔や元気はその地域で生み出されている。そんな未来を実現させたいという思いで、私はリネンサプライ事業の責任者として働いています。

リネン工場での作業の様子

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私は社会人6年目、「遊学者」見習いです。

池尾さんとの出会いから始まった私の「遊学」の旅を振り返ると、出会った方たちはまるで、「少年のような輝いた目で、まるでお昼休みに校庭でドッチボールをする小学生のように、全力でその瞬間を駆け抜けている人」なんだなと。TOUCAには地域に根差した強い意志と覚悟をもった経営者が集っています。そんな覚悟と強い意志をもったかっこいい背中を見せてくれる地域経営者が集うコミュニティがTOUCAです。本気で遊び、本気で学ぶ。

2024年5月実施のTOUCA合宿にて

多様な地域が存在する中で、それぞれに魅力も課題もあります。どこが自分に合うのかなんて、多くの人と繋がり、現地を訪れ、さまざまな人と混ざり合うことでしかわからないと思います。そして、それは遊びなのか、学びなのか、その瞬間では区別はつかないかもしれません。でも、それでも良いのではないでしょうか。明確な区別や定義は設けずに、本能や興味の赴くままにその瞬間を全力で楽しむことに一生懸命になってみるのはどうでしょうか。

これって少し気恥ずかしいし、勇気のいることなのかもしれません。でも、そこには必ず自分を鼓舞してくれる「遊学」の先輩たちがいる。自分の直感を信じて、飛び込んだ大海原で出会う「遊学者」の皆さんたちに叱咤激励をいただきながら支えられ、自分のなかに芽生えた「遊学の芽」を大切に育てていきます。

 肥留川 広平

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